モジュラーシンセサイザーにおけるMultiple(マルチプル)は通常、1つの信号入力を複数のアウトプットに分岐させるために使用されます。
代表的なMultipleとしてはDoepferのA-180シリーズなどがあります。
また、MultiplesやMultという名称で呼ばれることもあります。
下図のように1つの信号を3つに分けるユニットが2つついていたり、1つの信号を7つに分けたりなど、分岐数はMultipleによって異なります。
電源を使用しないタイプのマルチプルをパッシブマルチプル、電源を使用して信号の減衰を防ぐタイプをバッファードマルチプルと呼ぶこともあります。大抵の安価なマルチプルはパッシブタイプです。
実は、Multipleは信号を分岐するだけでなく、MultipleのアウトプットへCVやVCOの信号を入力して、インプットから信号を出力すると簡易的なミキサーとして使用することもできます。
以下に接続例を示します。
図中では流れている信号の種類別にパッチケーブルの色を変えています。
以下の図では、2つのVCOから出力されたオーディオ信号をマルチプルでミックスしています。
以下の図では、シーケンサーから出力されたGATEを元にマルチプルを用い、GATEを2つの信号に分岐させた後、2つのエンベロープをトリガーし、それぞれのエンベロープから出力されたCVをマルチプルでミックスして出力しています。