LFOでモジュラーシンセサイザーの音にトレモロをかける方法


今回は、モジュラーシンセの音に、Rhodesなどのエレピにかかっているようなトレモロのエフェクトをかけたいと思います。
トレモロを実現するには、低い周波数を出力できるLFO(Low Frequency Oscillator)というオシレーターが必要です。

LFOの概要

下図はよくあるLFOのモジュールを図にしたものです。
LFO
周波数を設定するノブ、波形を選択するノブ、信号を出力するアウトプットが基本です。
モジュールによっては、周波数や波形をCV信号でコントロールできたり、波形の選択ノブの代わりに波形ごとにアウトプットがあったりする場合もあります。

LFOのモジュールの役割

LFOモジュールはVCOと似ています。指定した周波数・波形のオーディオ信号を出力します。
ただ、VCOは音色を作ったり、音程を鳴らしたりする際に使用されるのに対し、LFOはそれ自身の音を出力するというより、ほかのモジュールの制御のために使用されます。

LFO、VCOどちらも、出力する信号の周波数を低くするとオーディオ信号は人間の耳には聞こえなくなります。(だいたい20Hz以下くらいから)
実は、耳に聞こえない周波数になっても、オーディオ信号は出力され続けており、この信号をCV信号として利用することができます。
要するにVCOもLFOとして利用できるということです。

トレモロをかけるためのセッティング

LFOを使ってトレモロをかけるためのセッティングを下図に示します。
これは、パソコンのDAWソフトやMIDI機器からモジュラーシンセを制御することを想定したセッティングです。※パソコンのDAWソフトとの基本的な接続がわからないという方はまずこちらをご覧ください。
tremolo_setting
図中のふたつめのVCAのCVにLFOのOutputの信号を入力しています。これがトレモロ効果を生み出すキモです。

まず、ひとつめのVCAに対し、エンベロープからのCVが流れてくると音が鳴る仕組みになっています。※VCAの仕組みがわからない方はまずこちらの記事をごらんください
ひとつめのVCAでなった音はふたつめのVCAに流れます。ふたつめのVCAはLFOからの信号をうけ、LFOで設定した信号の周波数に合わせたペースでVCAのSignalに入力された信号を流したり止めたりを繰り返します。このときLFOをサイン波や三角波にしていれば、その波形に合わせてなめらかにトレモロのボリューム変化が発生しますし、矩形波にしていれば、プツプツ途切れるような形でボリュームが変化します。また、ひとつめのVCAが発音していようがいまいが関係なく、ふたつめのVCAはLFOの周期にあわせ音を鳴らしたり止めたりを繰り返しています。

LFOの周波数は低いところから徐々に上げていくとトレモロ効果がわかりやすいです。過剰にLFOをかけるとVCAのオンオフを高速で繰り返すので、トレモロというよりジリジリとした倍音が付加された音色に変わります。

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