このページではAbleton LiveのFMシンセOperatorでのキックの作り方を説明しています。
以下の方法はあくまで一例です。参考程度にしてください。好みによって色々方法を変えて自分だけのキックを作りましょう。
Nyolfen氏が公開している以下のキックの作り方からインスパイアされたものです。
Kick講座基礎篇 シンセでキックを作ろう
Kick講座 応用編1 シンセでKickを作るときのテクニック
まずは低音の聞こえる環境を用意しましょう。40Hz代の低音が聞こえるとベターです。サブウーハーがあれば尚良しです。私はGenelec 8010とYAMAHA MSP7 + SW10 Studioで制作しています。
家では難しいという方であればスタジオなど低音を確認できる環境で試した方が精度が上げられると思います。
また私は80-100Hzが出がちな自分のスタジオの特性を調整するためにSonarworksのReference 4を導入してルームチューニングをしています。IKMultimediaのARC2でもいいと思います。
まず、クリップに4つ打ちなどの発音を確認しやすいノートを設定しループ再生させておきます。
その際MIDIノートのピッチは低めにしておきます。あとで曲のキーなどに合わせるなどしてください。
Operatorのアルゴリズムを各オペレータそれぞれ並行して出力するタイプのものを選択します。
Pitch Envの値を100%にします。音が鳴り始めてから鳴り終わるまでに設定したエンベロープの形でピッチが変化します。
ドゥーンという感じで音が下がるイメージです。
後で音を聞きながら下げてもいいと思います。
エンベロープは音程が下がるように設定します。
波形はサイン波を選び、Phaseの値を増やしサイン波の波が一番高くなるところ(25%くらい)を指定します。
こうすることで、プツッというアタック感のある音を入れられます。
さらにアタック感を出すために、矩形波を使ってアタック感のある音を入れていきます。エンベロープは短めにします。
ボリュームを抑えて微かに聞こえるようにします。あくまで隠し味程度に入れておきます。あとで歪ませるときにノイズが入っているほうがいい感じに歪みます。
不要な高周波数成分を削ります。個人的なお気に入りはKORGのMS-20タイプとMoogのラダーフィルタータイプです。
ここではOperator BとCにかけています。Aにかけてアナログっぽいピッチの揺らぎを作るのも良いと思います。
これで基本の音ができました。さらにここから音を太くしていきます。
Live 10からUtilityでローをmonoにすることができるようになったのでこれを使うか、同様のプラグインを刺しておきます。
私はWavesのRenaissance Bassを挿して40Hz〜50Hzを補強しています。PluginAllianceにあるbx_boom, bx_subfilterなども同様の効果が得られます。大きなスピーカーで鳴らしたときの芯になる部分です。(ダウンロードサンプルでは割愛しています)
AbletonのSaturatorや真空管シミュレーション系のプラグインを刺して若干の歪みを与えます。歪みを増やすごとにハードコア的なキックに近づきます。個人的にはSPLTwinTubeが好きです。
お好みでEQでアタック感を出したりするのも良いと思います。2K-3K辺りのカツッという部分をあげてみました。
個人的にはEQはFabfilterのPro-Q2が好きです。
透明感のあるコンプレッションをかけるにはLockAhead(先読み機能)で10msなどにしてかけましょう。ただ書き出し時にアタック感が若干損なわれるので、聞きながらケースバイケースでかけましょう。
Ableton LiveのGlue Compressor,LimiterやWavesのL2,L3-LL、FabfilterのPro-L,Pro-L2などを挿してボリュームを大きくします。
レコーディングした波形はこのような形になります。
MP3のサンプルはこちらです。F1 C1 A0 F0のノートを鳴らしています。(音量注意)
Ableton Live 10 Suite(10.0.1)で作ったOperatorのプリセットです。InstrumentRackでエフェクトとまとめています。Abletonのプラグインだけで作っています。自由にダウンロードして使ってください。
atnrKick2018 をダウンロードする
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