Qu-Bit Electronix Nebulae (Nebulæ) の読み込みファイルの順番を設定する方法

Qu-Bit ElectronixのNebulaeのUSBメモリ内のオーディオファイルの読み込み順の設定方法をメモしておきます。

ファイル名冒頭のアルファベット順で読み込む

下のキャプチャ画像は、Nebulaeに標準で付いてくるUSBメモリの中に入っているデフォルトサンプルのファイル名一覧です。
スクリーンショット 2015-08-05 20.29.11
ご覧の通り、ファイル名の冒頭にA_ B_ C_…というふうにアルファベットが付いています。
このアルファベット順にロードされます。

サンプルファイル名は内容がわかるように普通につけて、後から読み込ませたい順に冒頭のアルファベットつけると便利です。
サンプルはサンプリングレート44.1 kHzで1ファイルあたり9.5分の長さのものまで読み込めます。

One Shot Modeでもアルファベット順で読み込む

Nabulaeには起動中にEditとRecallボタンを同時押しすることで、One Shot Modeに切り替える機能があります。
One Shot Modeはトリガーすると特定のサンプルを再生するモードで、ドラムモジュールのような使い方ができます。

8つまでサンプルを同時に読み込むことができるのですが、この時もファイル冒頭のアルファベット順でサンプルが読み込まれます。
マニュアルに1〜8番目のサンプルをトリガーするGATE Inputの位置が書いてあります。

マニュアルのダウンロード

One Shot Modeでボタンやノブがどの機能にアサインされているかなどの、詳しい情報は購入時についてくるQuick Guideには書いてありません。
Qu-Bit ElectronixのNebulae製品ページよりダウンロードして確認してください。

LFOでモジュラーシンセサイザーの音にトレモロをかける方法

今回は、モジュラーシンセの音に、Rhodesなどのエレピにかかっているようなトレモロのエフェクトをかけたいと思います。
トレモロを実現するには、低い周波数を出力できるLFO(Low Frequency Oscillator)というオシレーターが必要です。

LFOの概要

下図はよくあるLFOのモジュールを図にしたものです。
LFO
周波数を設定するノブ、波形を選択するノブ、信号を出力するアウトプットが基本です。
モジュールによっては、周波数や波形をCV信号でコントロールできたり、波形の選択ノブの代わりに波形ごとにアウトプットがあったりする場合もあります。
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DAWからモジュラーシンセサイザーの音を鳴らす方法

この記事では、Ableton Live,Cubase,LogicのようなDAWソフトからモジュラーシンセサイザーの音を鳴らす方法について説明します。

DAWからモジュラーシンセを制御するのに必要なモジュール

DAWからモジュラーシンセをコントロールするのに必要なモジュールがMIDI-CVコンバーターと呼ばれるモジュールです。
このモジュールは、DAWやMIDI対応機器から送られたMIDI信号をモジュラーシンセで使用されるCVやGATEなどの信号に変換する機能を持ちます。

以下の図のような入出力を持ちます。
MIDI CV コンバータ
図中ではMIDI INからMIDI信号を受け取るようになっていますが、USB接続できるモジュールもあるので、使用用途に応じて適切なものを選択してください。

また図のCV-MIDIコンバーターは同時に1音のMIDIノートしか入出力できません。市販されている、CV-MIDIコンバーターはだいたい、1音のMIDIノートしか出力できませんが、モジュールによってはポリ出力も可能です。
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VCOモジュールによる波形の違い

様々な、VCO(オシレータ)モジュールが販売されていますが、一体どのような音の違いがあるのでしょうか。
今回は幾つかのモジュールで同じ波形の音を鳴らして波形をキャプチャしたり、音を録音することで確かめてみました。

また、波形のキャプチャにはiPadのオシロスコープアプリSoundBeamとLine 6のSonic Port
を使っています。

サイン波

今回は

  • Doepfer A-110
  • Make Noise STO
  • Make Noise MMG

のサイン波を調べてみました。
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モジュラーシンセ接続の基本(VCO + エンベロープ + VCA + VCF)

この記事ではモジュラーシンセサイザーの基本的な接続について説明します。前回はVCO + エンベロープ + VCAという構成で接続する方法を説明しましたが、今回は、加えてVCFも接続してみたいと思います。

凡例

図中では流れている信号の種類別にパッチケーブルの色を変えています。
信号の種類

VCFをVCAの前に入れる

基本的なシンセサイザーの構成どおりVCO->VCF->VCAの順番にオーディオ信号を接続します。
GATEをエンベロープへ送って、そのCVをVCAに入力する流れは前回と同じです。
example_with_vcf
この状態でVCFのFreqやResonanceノブを動かすと音色作りができます。
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モジュラーシンセ接続の基本(VCO + エンベロープ + VCA)

ここではモジュラーシンセサイザーの基本的な接続構成について説明したいと思います。
使うモジュールはVCO,エンベロープ,VCAです。
これらをアナログシーケンサーで制御することを想定します。

凡例

図中では流れている信号の種類別にパッチケーブルの色を変えています。
信号の種類

※CV,GATEなどの言葉がわからない方はまずこちらをお読みください。

接続法

以下が接続前の機材図です。
example_start
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モジュラーシンセのVCFの仕組み

このページではモジュラーシンセのVCF(Voltage Controlled Filter)の仕組みについて説明します。

VCFはいわゆるフィルターと呼ばれるもので、一般的なハード、ソフトのシンセサイザーを利用したことがある方であれば、おおよそ想像のつくものです。主な役割は特定周波数の音量のカットと増幅です。

一般的なフィルターの種類(ローパス、ハイパス、バンドパスなど)とその挙動については、割愛します。Music Theory Workshopのサイトに詳しい記載がありますので、そちらをご覧ください。

基本構成

VCF
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モジュラーシンセのVCOの仕組み

ここでは、モジュラーシンセにおけるVCO(Voltage Controlled Oscillator)の仕組みを説明したいと思います。

VCOは、一般的にオシレーターと呼ばれ、シンセサイザーの音の元となる波形を出力するモジュールです。ここでまず覚えておいていただきたいことは、基本的にVCOは電源が入っている間中、音が出っぱなしになっているということです。
音のオンオフはVCAで制御します。

基本構成

VCOの基本構成は以下のような感じになっています。

vco

※図中のCV信号などの言葉がわからない方はまずこちらをお読みください。

図中のCVには、アナログシーケンサーやエンベロープからのCV信号を入力します。
各波形のOutputにはミキサーやVCAVCFなど、オーディオ信号の出力先を接続します。

主な波形の名前の日本語名と英名、略称を挙げておきます。

波形の名前

日本語 English ラベル上での略称例
正弦波 Sine Wave Sin
三角波 Triangle Wave Tri
矩形波/方形波 Square Wave Sqr
ノコギリ波 Saw Wave Saw

また、FreqとFineはピッチ(音高)の調整用のノブです。Freqで大まかなチューニングをした後、Fineで微調整をします。
DoepferのA-110のように-2,-1,0,+1,+2のような表示がありオクターブで大まかなチューニングを行うタイプのものもあります。

Pulse Widthは矩形波の波形の幅を狭めたり広げたりするノブです。矩形波を使った音色作りの際に使用します。以下の図のように矩形の幅が変化します。
Pulse Width
モジュールによってはPWやWidthなどと書かれていることもあります。

VCOの挙動

さて、実際の挙動を説明します。まずは下図をご覧ください。
CV信号を全く入力しない状態でも、VCOは常に音を出力し続けています。

vco1

次に、CV信号が流れてくると、その電圧に応じたピッチの音を出力します。

vco2

上図で入力されたCV信号のピッチの高さの変化が下のグラフになります。縦軸が音高(ピッチ)で、横軸がCV信号の電圧です。
一般的なモジュラーシンセのVCOは1V(1ボルト)ごとに1オクターブ音が高くなるV/OCT(ボルトオクターブ)方式で音高を制御する仕組みとなっています。

V/OCT グラフ

KORGのMS-20などはV/HZ方式をとっており、CV信号の電圧に応じて音高が高くなりますが、1Vのとき110Hz,2Vのとき220Hz,3Vのとき330Hz…というふうにピッチ上がっていくため、1Vで1オクターブになっているわけではありません。

SYNCとは

SYNC
VCOによっては、SYNCという入力があります。

使用例を以下に示します。
sync
VCO1のノコギリ波の出力からVCO2のSYNCにパッチケーブルを接続します。

これにより、VCO1の音高(ピッチ)とVCO2の音高が同期(=同じになる)し、また、VCO1の音高に応じて、VCO2から出力される波形も変化します。つまり、音色に変化を与えることができます。

Doepfer A-110とMake NoiseのSTOを使ったSYNCのテストを撮影した動画です。

最初はA-110から三角波が出力されていますが、A-110のSYNCにSTOの三角波を入力すると音色が変わり、STOのピッチにA-110が追随するようになっています。

モジュラーシンセサイザーのVCAの仕組み

ここでは、モジュラーシンセサイザーにおけるVCA(Voltage Controlled Amplifier)の仕組みを説明したいと思います。

基本構成

VCAの基本構成は以下のような感じになっています。
VCAの例
図中のCVには、エンベロープからのCV信号、SignalにはVCOからのオーディオ信号、OutputにはミキサーやVCFなど、オーディオ信号の出力先を接続します。
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